山形県雇用促進住宅の8世帯が厚労層の外郭団体である高齢・障害・求職者雇用支援機構から提訴された件について、これに反対する以下の声明をだしました。

2017年11月15日

避難の協同センター 声明

 

国は「原発事故子ども・被災者支援法」に基づき、
原発事故による避難者の「住まい」「暮らし」の保障を

私たちは、東京電力福島第一原発事故による避難者の支援を行っている団体です。私たちは、このたび、山形県の雇用促進住宅の運営法人が、8世帯の自主避難者が住宅の無償提供が終了した4月以降も住み続けていることに対して、退去と家賃の支払いを求める訴えを起こしたニュースを、やりきれない悲しみをもって受け止めています。

私たちは、何度も、国と福島県に対して、原発事故避難者の生活再建や住宅保障を求め、「子ども・被災者支援法」に基づく抜本的な法制度を求め、当面、原発事故による避難者の住宅提供を打ち切らないように求めてきました。しかし、多くの避難者が避難先での生活が再建できていないのにもかかわらず、国と福島県は、今年3月に災害救助法に基づく住宅提供を終了。代替として福島県による家賃補助や、自治体によって公営住宅への専用枠などを設定したところもありましたが、条件が厳しく、多くの人たちがこうした支援からこぼれ落ちました。

多くの避難者は避難継続を選択しましたが、中には生活が立ちいかず、困窮してしまった避難者もおり、「避難の協同センター」のもとには、いまもたくさんの方々から、切羽詰まったSOSがよせられています。

国と福島県が、避難者や支援者の声に耳を傾け、避難者の生活再建のための具体的な施策を打ち出し、住宅提供を延長していれば、現在のような事態を回避できたはずです。

しかし、残念ながら、国や福島県は、帰還促進、復興の名のもとに、次々と避難指示を解除し、避難者の支援を打ち切りました。

福島県の発表によれば、県内外の避難者数は54,579人(今年9月時点)。しかし、この数からこぼれおちている人たちも多くいます。避難者がおかれている状況については、きちんと把握できていない状況ですが、母子避難や高齢者の一人暮らし、生活困窮者などが少なからずいる模様です。現に、今回訴えられた方々のうち3世帯は母子避難なのです。

たとえば東京都が今年10月に公表したアンケート調査では、月収10万円未満の人が2割を占める、誰にも相談できない人が15%以上いるなど、深刻な状況をうかがわせます。

今年4月4日、「避難は自己責任」という趣旨の発言で問題となった今村復興大臣(当時)は、4月14日の東日本大震災復興特別委員会において、「意に反する追い出しはさせない」と答弁しています。しかし、そうであるのであれば、国として、関連団体に通知を出すなど具体的な措置を講ずるべきだったのではないでしょうか?

今回訴えられている方々以外にも、さまざまな困難や想いをかかえながら、避難を選択されなかった方々、避難継続されている方、帰還された方がいらっしゃいます。

私たちはあらためて、国および福島県に対して、以下を求めていきます。

  1. 原発事故子ども・被災者支援法に基づき、原発事故被害者の「住まい」「暮らし」を保障すること、またそのための現状把握と抜本的な法制度の整備を急ぐこと
  2. 早急に区域外(自主)避難者の生活実態調査を早急におこなうこと
  3. 希望する避難者が等しく、公営住宅に入居できる施策を講じること
  4. 民間賃貸住宅避難者への家賃支援について、希望する避難者が等しく受けられるような施策を講じること
  5. 山形の8世帯の方々も含め、避難者に対して強制退去をさせないよう、国・県として措置を講じること。

 

以 上

 

問い合わせ先:避難の協同センター

事務局:国際環境NGO FoE Japan

〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9

TEL: 03-6909-5983  / FAX: 03-6909-5986