2/26福島民友記事を転載します。

早稲田大災害復興医療人類学研究所と震災支援ネットワーク埼玉(SNN)は25日、東京電力福島第1原発事故で本県から首都圏に避難した住民を対象にしたアンケート結果の速報値を発表した。回答者のうち心的外傷後ストレス障害(PTSD)に相当する高い心理的ストレスを抱えている人は51.9%で、前年調査と比較して17.2ポイント増加した。

同研究所は「社会全体の関心が薄れる中で帰還政策が進んでいく。同時に生活支援の打ち切りの時期なども具体化していき、被災者の不安が増加しているのではないか」と分析している。

調査は双葉町と大熊町、富岡町、いわき市、南相馬市から主に首都圏に避難している1万275世帯を対象に実施。2月15日現在で827件の返送があり、このうち約150件の集計結果を速報値として発表した。回答者のうち、大熊町や双葉町など帰還困難区域からの避難者が78%を占めている。このうち、22項目の質問を通じて心理的ストレスを推計した結果、PTSDに相当する人の割合は50%を超えた。

昨年の調査結果のうち、今回の速報値と同様のデータとして帰還困難区域からの避難者のPTSDに相当する人の割合は34.7%となっており、PTSDの割合が丸6年を迎える前に上昇した。早稲田大災害復興医療人類学研究所の辻内琢也所長は「数値の上昇は危険信号。単なる心理的ケアでは不十分で、生活経済支援を含めた社会的ケアが必要だ」と指摘している。

また、帰還について聞くと「帰りたくない」が28%で、「絶対に帰りたい」と「帰りたい」を足した19%を上回った。地域の避難指示が解除された場合の世帯の方針を聞くと「当面は避難を続ける」が35%で最多。「移住する」は23%、「帰還する」は6%だった