2/25朝日新聞より転載します。

(以下転載)

朝日新聞社と福島大学の今井照(あきら)教授(自治体政策)は今年1〜2月、東京電力福島第一原発事故で避難した住民に対し、共同調査を行った。避難先でいじめや差別を受けたり、被害を見聞きしたりしたことがあると答えたのは62%だった。

原発事故で避難したことによる「いじめ」「差別」について、今回初めて質問した。「自分や家族が被害に遭った」が33人(18%)、「周囲で見聞きしたことがある」が81人(44%)だった。

自由記述では、「お金があるのになんで働くの?と言われた。私には働く権利もないのかと悲しくなった」(35歳女性)、「まとめ買いをしたら『ああ、避難者』と言われた」(59歳男性)、「娘が転校した小学校で同級生に『キモイ』『福島に帰れ』と言われ、笑わなくなった」(43歳女性)などがあった。

「ない」の回答は60人(33%)で、「避難先の職場の上司や同僚は普通に接してくれた。いい人に巡り合えた」(48歳女性)と述べ、好意的に受け入れられたとする答えもあった。

避難先での「居づらさ」や「引け目」も垣間見える。避難中の人を対象に、避難していることを避難先で言いたくないと思うことがあるかを問うと、「ある」と回答したのは61人(41%)。自由記述で、「賠償金の話になるのではという不安がある」(49歳女性)、「子どもがいじめられないか気になってしまう」(31歳女性)などの意見があった。「ない」は50人(34%)、「どちらともいえない」は26人(18%)で、「知らない人にはあえて言わない。いつまでも避難者だと言っていても前に進めないから」(56歳男性)と答える人もいた。

今井教授は「『避難者いじめ』の実態が具体的かつ量的に明らかになったのは初めてだろう。原発事故の責任の所在があいまいで、『避難者は事故の被害者』という認識が社会で共有できていないことがいじめにつながっている」と話す。(伊沢健司)

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